With IM (ウィズ・アイム) 2022 No.006

社会保険労務士 原田 芳幸 公益財団法人国際人材育成機構 リスクアセスメントは “危険源に注目” リスクアセスメントは、事業場のリスクを事前に評 価し、対策をたて、実施することにより、労働災害を 未然に防止するものです。 特に、リスクアセスメントは、重篤な災害に的を 絞って行うことが肝要であると言われており、重篤 な災害を防止するためには、何よりも“危険源を 見抜くこと”がとても重要になります。 多くの企業において、危険予知の災害防止活動 が行われていますが、リスクアセスメントを危険予 知の延長線上で実施しているところが少なからず あります。 「危険予知」は、危ないと思ったところだけを対象 にしてしまい、職場に慣れ親しんでいるゆえに、重大 なリスクに気が付かなく、重篤な災害の原因となる 危険源がしばしば抜け落ちてしまう恐れがあります。 自分たちが危ないと思うか思わないかに関わら ず、 リスクアセスメントによりシステム的に危険 源に注目することが重要となります。 それでは、危険源とは、何でしょうか。 危険源は、労働者に負傷または疾病を生じさせ る潜在的な根源であり、「ハザード」と呼ばれ、労働 安全衛生法では、「危険性または有害性」と表現さ れています。 労働現場においては、具体的に以下の危険源が あり、私たちはこの危険源の中で働いていることに なります。 リスクアセスメントを効果的なものにするために は、この危険源をいかに見抜くかがカギとなります。 それでは、危険源を見抜くには、どうすればよい でしょうか。 ここで重要なことは、危険源は何らかの“エネル ギーを持っている”ということです。 私たちは、普段、機械や電気や化学のエネル ギーをうまく利用して仕事をしています。 ところが、エネルギーが突然人に襲いかかること があり、それが労働災害ということになります。 どうしてエネルギーが人に襲いかかってくるの ❶ 機械的危険源(可稼働装置、フォークリフト) ❷ 電気的危険源(感電) ❸ 熱的危険源(火傷、火災、爆発) ❹ 生物学的危険源(カビ、ウイルス) ❺ 化学物質的危険源(発がん性物質、有機溶剤) ❻ 高所(墜落・転落、転倒) ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ リスクアセスメントは“危険源に注目” 1 危険源を見抜く⇒ “エネルギーに注目する” 2 危険源 危 危 危 危 危険源 エネルギーを持つもの = 危険源 Wi th IM 4

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