With IM (ウィズ・アイム) 2022 No.006

か。それは、マネジメントの欠陥により、労働災害の きっかけとなる「不安全行動」や「不安全状態」が 原因となり、吸収できないエネルギーが発生し、そ れが危険源のエネルギーとなって人に危害を加え て災害となります。 そこで、危険源を見抜くためには、このエネル ギーに注目する必要があります。 労働災害の中でとても多い災害として、“機械に よる挟まれ”の事故がありますが、これは、機械のエ ネルギーと運動のエネルギーから生まれる災害で あり、機械が回転し、駆動することによって作業員 が機械に挟まれたりします。 したがって、危険源を見抜くには、そのような“エ ネルギーに注目し、そのエネルギーが自分の仕 事の中において、どこにあるのかを見極める”こ とがとても重要です。 例えば、“電気のエネルギー”について考えてみる と、職場であれば200Vとか400Vの電圧を利用し ています。そこに電気エネルギーが存在しているこ とを認識することが大事であり、その上で絶縁のカ バーが付いているか等のリスク管理を行うことが 重要となります。 次に労働災害の被害の大きさは、基本的には危 険源のエネルギーの大きさに依存します。 “高所”という危険源の場合に、高所から落ちて どんな怪我をするのかは、高さのエネルギーに依 最後に、リスクアセスメントは、危険源を主人公と して危険源が影響を及ぼす範囲を整理し、危険源 と人との接点を洗い出すことが重要です。この職場 で、“もし人が亡くなるとしたらどこなのか”、“重 篤な災害が起きるとしたらどこなのか”そして “その危険源は何なのか“、という目で見ることが 重要です。 重篤な災害を防ぐところに力点を置いて、重大 な危険源を見抜くことが重要となります。 身の回りの危険源に着目したリスクアセスメントを 実施し、“重篤な災害を絶対に起こさない”との決 意で、安心・安全な職場の構築をして参りましょう。 存します。50cmから落ちても災害にならないかも しれませんが、2mから落ちたら死に至ることがあ ります。 私たちの働く現場において、そこに存在する危険 源となるエネルギーの大きさに着目し、重大な危 険源を見抜くということが重要となります。 重大な危険源とは大きなエネルギーを有してい る、①大きいモーター、②駆動する機器、③高所か らの墜落、④高い温度・圧力・電圧、⑤重量物など がありますが、これらの重大な危険源を絶対に見 落とさないことが重要なポイントです。 労働災害の被害の大きさは“危険源の エネルギーの大きさ”に依存 3 “危険源を主人公としてリスクアセスメ ントを行う”ことが肝要 4 参 考 ▶ 労働災害の原因 間接原因 直接原因 吸収できないエネルギー 危険源 不安全行動 不安全状態 災 害 重大な危険源 大きな エネルギー 電 気 空気圧 熱 化学製品 油 圧 機 械 重 力 マネジメントの欠陥 労働災害の原因 間接原因 直接原因 吸収できないエネルギー 危険源 不安全行動 不安全状態 災 害 重大な危険源 大きな エネルギー 電 気 空気圧 熱 化学製品 油 圧 機 械 重 力 マネジメントの欠陥 YouTubeチャンネル「安全衛生アカデミー」 労働安全コンサルタント・労働衛生コンサルタント 黒崎由行氏制作の「リスクアセスメント」関連動画 Wi th IM 5

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