With IM (ウィズ・アイム) 2022 No.006

海外投資情報 海外投資ニュースPickUP!! 9月〜11月 スリランカ 政府が外国投資促進に向けた環境整備へ スリランカのラニル・ウィクラマシンハ大統領は10月 20日、コロンボ市内の不動産開発地区「ハブロックシ ティー」で開かれたオフィスビルの開所式で、海外から の投資促進に力を入れる考えを示した。同大統領は、 現在取り組んでいる債務再編交渉以降を見据え、「ス リランカは輸出志向の経済を実現し、外国からの投資 を増やし続けなければならない」と述べた。その上で、 投資に適した環境整備に向け、早急に対策を取ってい ると強調した。 主な投資促進に向けた取り組みとして、政府は投資 委員会(BOI)と輸出促進庁(EDB)、輸出信用保険公 社(SLECIC)を1つの投資促進機関として集約するこ とを検討しており、同大統領は、集約化に向けた委員 を任命しているという。ウィクラマシンハ政権は金融経 済安定化・国家政策省の傘下にもともとあったBOIや EDBを、貿易投資促進を図る投資促進省(Ministry of Investment Promotion)の傘下機関として9月に新た に位置づけるなど、構造改革に着手している。投資促進 省は2022年6月に新設された省庁だ。 一方で、スリランカでは、投資認可の遅れが投資家 から長年指摘されてきた。そこで、政府は、BOIの前身 であるコロンボ拡張経済委員会の下で1970年代後 半に導入した経済開発や投資促進に関する法律の改 定を通じ、投資決定プロセスの円滑化に注力する予定 だ。また、BOIは10月19日、投資家にワンストップサー ビスを提供するための「投資円滑化センター(Investor Facilitation Centre)」を開設した。非効率的な投資承 認プロセスという課題に対処するため、省庁間の調整を 強化した上で、投資家に向けて効率的なサービスの提 供を目指している。 2022年11月2日 出典:日本貿易振興機構(JETRO)ht tps://www. jetro.go. jp タイ 1~9月の外資規制業種の事業認可額、日本がシェア35.2%で首位 タイ商務省(MOC)は10月17日、9月の外資規制業種※ の認可状況を公表した。 事業認可件数は55件、内訳は外国人事業ライセンス (FBL)の取得が23件、外国人事業証明書(FBC)32件 で、投資総額は約160億8,600万バーツ(約627億円、1 バーツ=約3.9円)だった。その大半が日本、米国、シンガ ポールからの投資で279人の新規雇用に貢献した。 2022年1~9月累計の事業認可件数は436件となっ た。内訳はFBLが164件、FBCが272件で、投資総額は 前年同期比82.0%増の約993億6,900万バーツだった。 国別にみると、日本が110件で約349億7,200万バーツ、 中国が21件で約207億5,400万バーツ、シンガポールが 71件で約114億2,500万バーツ、米国が61件で約33億 500万バーツだった。認可された主な事業は、タイのイン フラ開発に沿ったもので、政府の投資奨励政策でター ゲット産業となっている分野だった。具体的には、ウタパ オ空港の複合発電所向けエネルギー貯蔵システムの設 計・建設および設置、タイ湾の油田掘削(探査区画内)、 電気自動車用充電ステーション、自動車部品製造におけ るコンサルティング・エンジニアリングおよび技術サービ ス、ビックデータの管理・データ分析のためのソフトウェア の開発・提供などだった。 1~9月に認可された案件のうち18.3%を占める80件 は東部経済回廊(EEC)への投資案件で、投資金額は約 405億5,500万バーツと投資認可総額の40.8%を占めた。 国別にみると、日本が34件で約232億5,600万バーツ、 シンガポールが8件で約20億600万バーツ、米国が6件 の約10億7,500万バーツだった。 ※商務省が外資規制業種への参入を認可する際、次の2種類の方法がある。まず、外国企業が商務省へ直接認可を申請する外国人事業ライセンス(FBL)と、外国 企業がタイ投資委員会(BOI)などから投資奨励を得た上で、商務省に申請する外国人事業証明書(FBC)。 2022年11月4日 Wi th IM 6

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