With IM (ウィズ・アイム) 2022 No.005

海外投資情報 海外投資ニュースPickUP!! 6月〜7月 バングラデシュ・輸入決済に係わる規制を緩和、送金上限緩和と電信送金を新たに規定 バングラデシュ商業省は4月24日、輸入に係わる規制や手 続きを規定する「輸入政策令(Import policy)2015-2018」を 改正し、新たに「輸入政策令(Import policy)2021-2024」を 発表。即日発効した。 同政策に関してはこれまで、輸入決済規制が日系企業に とって大きな課題の1つで、在バングラデシュ日本大使館や ダッカ日本商工会、ジェトロなどが連携し、バングラデシュ政 府に対し規制緩和を求めてきたという背景がある。具体的 には、バングラデシュの輸入時に、政府による外貨管理など の観点から信用状(L/C)決済が原則と定められており、そ の手続きや決済遅延、信用状発行にかかるコスト負担(特 に親子間取引の場合)がビジネスの阻害要因となってい た。他方、輸入政策令2015-2018には例外として、L/Cを開 設しない決済方法(LCAF※)も規定されていた。特に製造 業に限っては、生産設備の機械や原材料の輸入に当たり、 金額の上限なくLCAFにより決済可能だった。商業(製造業 以外の業種)でも、年間20万ドルを上限に、LCAFによる決 済が可能とされ、同決済を利用する日系企業もあった。 今回の輸入政策令2021-24では、上記の輸入決済 に係わる規制を一部緩和し、製造業以外の業種による LCAFの決済上限額を年間20万ドルから50万ドルに 引き上げた。さらに、電信送金(Telegraphic Transfer Remittance:TT)を初めて明記し、政府は輸出振興を目 的に、同送金を金額にかかわらず認めることができると規 定したが、承認プロセスなどの詳細については記載され ていない。今回の措置について、ダッカ日本商工会の河 合光会頭(丸紅ダッカ支店長)は「若干であるが、一定の 規制緩和がなされたことを評価したい。一方、日系企業 のLCAF利用は限定的で、利用開始時には、銀行との調 整に時間を要するなど容易ではない。バングラデシュの 2020/2021年度(2020年7月~2021年6月)貿易総額 は883億7,100万ドルに達し、この10年間で約56%も増 加しており、貿易振興に向けた過渡期にあると理解して いる。開発途上国であるために、外貨流出抑制の規制が 多いとしても、2026年に予定されている後発開発途上国 (LDC)卒業に向け、今後さらに規制緩和が進むことを強 く望む」と話している。 バングラデシュでは輸入額増加の傾向が続いており、外 貨準備高減少の抑止のためL/C開設に係わる規制を強化 するなど、先行きが不透明な部分もあるものの、今回の措 置が政府・銀行により的確に運用されることが期待される。 ※L/Cを開設せずに行う、LCA Formと呼ばれる書面を用いた輸入 決済。TT送金や手形支払い書類渡し(D/P:Documents against Payment)決済とは異なるものの、バングラデシュではそれらに比較的 近い決済方法とされている。 2022年06月28日 出典:日本貿易振興機構(JETRO)ht tps://www. jetro.go. jp ベトナム・第2四半期GDP成長率、前年同期比7.72% ベトナム統計総局は6月29日、2022年第2四半期(4~ 6月)の実質GDP成長率(推計値)を前年同期比7.72%と 発表した。第1四半期(1~3月)の5.05%を上回る伸びとな り、上半期(1~6月)の成長率は6.42%となった。 第2四半期の業種別の成長率は、農林水産業が3.02%、 鉱工業・建設業が8.87%、サービス業が8.56%だった。農 林水産業のうち、農業は2.22%と小幅な伸びにとどまった が、林業と水産業はそれぞれ5.36%、4.89%と好調だっ た。鉱工業・建設業の中では、GDP構成比が27.51%と経 済を牽引する製造業が11.45%で、新型コロナウイルス流 行前を上回る高水準の伸び率となった。サービス業は、卸 売り・小売りが8.34%と復調した。前期までマイナス成長が 続いていたホテル・飲食は、入国規制緩和や外国人観光客 の受け入れ再開などを受け、25.92%に好転した。 統計総局のレ・チユン・ヒエウ副局長は「ベトナム政府は 公共投資促進と経済回復策を示した政府決議第11号(11/ NQ-CP)の実施や、外国人観光客誘致などを促進しており、 第3四半期(7~9月)も高成長が期待できる」と述べ、通年の GDP成長率が政府目標の6~6.5%を超える可能性があると の見通しを示した。世界銀行が6月7日に発表した世界経済 見通しで、2022年のベトナムのGDP成長率を5.8%と予測。1 月発表の見通しと比べて、世界の成長率予測が下方修正さ れる中、ベトナムは5.5%から0.3ポイント上方修正された。 第2四半期のCPI上昇率は2.96% 第2四半期の消費者物価指数(CPI)上昇率(推計値) は前年同期比2.96%だった。国際的な原材料価格の高 騰を受け、ベトナムでもガソリン、ガス、建材などの価格上 昇がCPIを押し上げた。一方、前年同期に高値になってい た豚肉価格が落ち着いたことや、一部の省・市で一時的 に教育費が減免されたことなどがCPI上昇を一定程度抑 える要因になった。統計総局価格統計局のグエン・トゥ・ オアン局長は「原材料の値上げや年末の消費需要増加 などに伴い、第3四半期と第4四半期(10~12月)のCPI は上昇が見込まれる」と予測した。 2022年07月01日 Wi th IM 6

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