早わかり技能実習制度

技能実習制度とは

外国人に日本の技術・技能や知識を伝えて
母国で活躍してもらう制度です

日本の国際的な地位と役割において、開発途上国の「人づくり」に貢献することが求められています。このため、これらの国々から優秀な若者を日本に招き、日本の優れた技術や知識を学んでもらって、母国の発展のために活躍してもらうための仕組み、それが外国人技能実習制度です。(当ウェブサイトでは「技能実習制度」、「技能実習生」と表記しています。)

技能実習制度の誕生は1993年

1960年代後半 海外の現地法人などの社員教育として行われていた研修制度が評価されはじめる。
1982年 日本の企業が海外から本格的に外国人研修生を招集し始める。
1990年 「監理団体」による外国人研修生の受け入れが始まる。(当時は技能実習生ではなく研修生と呼んでいました)
1993年 法務大臣により「技能実習制度に係る出入国管理上の取扱いに関する指針」が出て技能実習制度が始まる。(技能実習生の呼び名が誕生)
2010年 入管法が改正され、技能実習生用の在留資格として「技能実習」が設けられる。
2016年 「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(技能実習法)」が定められる。
2017年 技能実習法をしっかり守って実習が正しく行われるように、「外国人技能実習機構」が設立される。

大きな成果をあげています

厚生労働省の発表によれば2021年10月末に日本で働いている外国人は172万7,221人、そのうち20.4%にあたる35万1,778人が技能実習生です。実習期間を終えて帰国した実習生の中には、自分で会社を作ったり、日系企業で職場のリーダーになったりする人も多く、実習で身につけた知識や技術・技能、考え方などを活かして母国の発展のために活躍しています。

技能実習制度は人手不足を
補うためのものではありません

外国人技能実習制度は日本の人手不足を安く解決するためのものでは無く、開発途上国の「人づくり」をすることが主な目的です。目的に反してこの制度が利用されないように、技能実習法では2つの基本理念を掲げています。

  1. 技能等の適正な修得、習熟又は熟達のために整備され、かつ、技能実習生が技能実習に専念できるようにその保護を図る体制が確立された環境で行わなければならないこと
  2. 労働力の需給の調整の手段として行われてはならないこと

技能実習制度のしくみ

技能実習生の受け入れ方は大きく分けて2つあります。企業単独型と団体監理型です。

日本の企業が、関係会社や取引先の職員その他の企業が単独で現地の人材を受け入れて実習を実施するのが企業単独型です。監理団体が受け入れ、その団体の会員企業などで実習を実施するのが団体監理型です。多くの場合は団体監理型で実習生を受け入れており(2021年末では全体の98.6%)、送出機関、実習を行う受入企業、監理団体、外国人技能実習機構、そして地方出入国在留管理局などが連携して、技能実習を実現しています。

技能実習生を受け入れるには準備と手続きが必要です。
  • 監理団体の決定(初めての受け入れ時には外国人技能実習機構に監理団体の許可申請が必要です)
  • 技能実習計画の認定申請を外国人技能実習機構に行います
  • 在留資格認定証明書の交付申請を地方出入国在留管理局に行います

技能実習の流れ

技能実習生が日本での生活の仕方や仕事の基本から、技能習得までしっかり学べるように、技能実習はいくつかの期間に分かれ、期間ごとに日本に滞在するための資格(在留資格)が異なります。各期間の終わりに行われる試験に合格することで、次の実習期間に必要な在留資格を取得することができます。

講習

技能実習生は母国でリクルート後、企業に配属される前に、現地の訓練校と日本入国後の研修で日本語をはじめ日本での生活に必要な、日本のルールや規則などを勉強します。

技能実習1号

技能実習生は入国時に出入国管理局から、1年間滞在が許される在留カードをもらい、講習修了後企業に配属されます。この最初の1年を技能実習1号と言い、期間中に実技と学科の試験(技能検定試験 基礎級)を受けます。2回不合格だと在留資格を失い実習は続けられません。

技能実習2号

技能検定試験(基礎級)の合格者は、続く2年間技能実習2号として実習できます。その後も実習するには、技能実習2号の期間終了前に技能検定試験3級に合格し、所定の手続きをして、技能実習3号の資格を取得します。

  • 技能実習3号の実習実施には条件があるので、詳しくはアイム・ジャパン支局へお問い合わせください。

技能実習3号

技能検定3級合格者(少なくとも実技試験に合格)は、技能実習3号に進むことができます。ただし、技能実習2号の修了後に技能実習3号の実習開始前又は開始後1年以内に1ヵ月以上の一時帰国が必要です。

技能実習生受け入れには準備が必要です

技能実習生を受け入れるには、事前にさまざまな手続きを行わなければなりません。また、3種類の責任者を決めること、そして技能実習生が生活しやすい環境を用意することが必要です。

技能実習責任者 技能実習指導員や、生活指導員など、技能実習にかかわる職員のリーダーとして、技能実習を安全で実り多いものにする指定講習を受けた責任者です。
技能実習指導員 技能実習生に仕事を教えて、彼らが技術や知識を学ぶのを助けます。その仕事内容に詳しいベテラン職員が担当します。
生活指導員 言葉や価値観が日本とは異なる技能実習生に、生活方法や日本の習慣などを教えて、技能実習生の日本での暮らしを支える指導員です。

技能実習の対象となる職種と作業

技能実習生の受け入れができる職種と作業は法律で定められています。検討している職種と作業が受け入れ可能かどうか事前に確認しておきましょう。また、職種と作業によって受け入れ可能な期間が異なるので注意が必要です。

受け入れ可能な技能実習生の人数

ひとつの企業が受け入れることができる技能実習生(年間)は、従業員の数によって異なります。たとえば従業員が30人の会社であれば3人まで技能実習生を受け入れることができます。さらに、優秀な技能実習生を育成して優良企業と認められると、この2倍の人数まで受け入れが可能になります。なお、条件を満たせば個人事業主でも受け入れは可能です。

監理団体に求められるもの

技能実習生を受入企業に紹介するだけでなく、監理団体は、技能実習計画作成の指導、入国後の講習、実習を行う企業の訪問指導、母国語による実習生の相談対応など、さまざまな役割を果たしています。技能実習制度のスムーズな運用を支えるのが監理団体の役割ですから、たとえば以下のようなポイントをしっかり確認して選ぶ必要があります。

  • 技能実習制度や関係する法律などを正確に理解して、それをしっかり守っているか
  • 監理費の中身が判り易く、金額も適正か
  • 実習生への日本語教育が優れているか
  • いろいろな手続きやサービスがスムーズか
  • 実習生の出身国の言葉に堪能な職員がいるか
  • 定期的に訪問指導などを行い、実習生一人ひとりのめんどうを丁寧に見ているか
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