2023年11月20日
2023年8月25日(金)、ベトナム・ハノイ市内のホテルにおいて、「日越外交関係樹立50周年セミナー」が行われ、日本・ベトナムの友好関係や交流に大きな貢献をした約90人が集まりました。長い友好関係と両国の未来に向けた協力の重要性が再確認され、その節目を多くの人々と共に祝いました。
本イベントの晴れがましい席に、当機構ハノイ駐在員事務所職員3名とベトナム帰国技能実習生5名がお招きいただきました。帰国実習生のうちの一人タンさんがスピーチをする機会に恵まれました。
登壇したタンさんは、「2013年にアイム・ジャパンのプログラムを知ったとき、人生の新しい扉が開かれるのを感じました。ベトナムでの訓練や日本での実習では、厳しさと規律を感じました。しかし配属後にこれらの経験は非常に価値のあることだと気づき、この苦労が私を大きく成長させるのだと考えるようになりました。」とベトナム海外労働センターと本プログラムへの謝意と、この経験が自身の事業への礎になったことをエピソードを交えてスピーチを行いました。
1990年生まれのベトナム・バックニン省出身のタンさんは、2013年9月23歳の年に技能実習生(以下、実習生)として日本に入国しました。大阪府内の鉄工所で、3年間機械加工の技能実習に励み、2016年9月に母国に帰国しました。実習プログラム参加のきっかけは、日本人の仕事の仕方を学びながら、家計の助けにもなるとの思いからでした。
彼は、3年間、昼間は技能実習に集中し、夜はボランティアの日本語学校へ通って毎日勉強しました。たゆまぬ努力の結果、1年目に日本語能力試験N3に合格、2年目にはアイム・ジャパン作文コンテストで優秀賞を受賞しました。帰国後は、日系企業への就職ののち、修了後にベトナム政府から受け取った事業奨励金を元手に石材加工関連の工場を設立しました。当初は専門知識や人脈がなかったため、経営難にも陥りました。しかしながら高い技術と、安定した石材の提供が認められ、現在は13名の従業員を抱える高級石材加工の社長となり、いまやベトナム経済成長の一翼を担っています。
将来はデザイン、開発した高級石材を日本に輸出したいと考えています。
本セミナー後、50周年イベントに参加した当機構帰国実習生(修了生)5名は、母国でともに成功を目指すための、「技能実習修了生の集い」発足に向けてのキックオフミーティングを行いました。これは、帰国生同士の繋がりを強化し、ビジネスマッチングやノウハウの共有やビジネスチャンスの拡大につながる情報交換の場として、インドネシア、タイにつづく起業家を中心としたビジネスネットワークです。
参加した修了生のなかには、帰国後に鋳造工場を起業し今や従業員20人の社長や日系企業の管理職など大きな活躍をしベトナム経済の発展に貢献しています。
2023年は日本とベトナムは外交関係樹立50周年を迎える年でもあり、今回のイベントをきっかけに、メンバーの活動を通じて、ベトナムのさらなる発展に貢献できるようつながりを強固にしていくことで意見が一致しました。
今後もアイム・ジャパンハノイ事務所は、「技能実習修了生の集い」の活動支援をベトナム労働省と協力して実施して参ります。帰国後の就職、起業支援やビジネスマッチングとしての情報交換を行い、それらの成功体験を入国前、実習中の技能実習生へフィードバックして参ります。
ハノイ駐在員事務所長 西澤
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*1973年9月21日に、日本(日)とベトナム(越)は外交関係を樹立しました。2023年9月21日に日本とベトナムは外交関係樹立50周年を迎えました。
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