2021年9月15日
「希望を胸に日本に。技能実習生 成功への道のりNo.1」(インドネシア・起業編)
インドネシア
未来への希望と可能性を夢みて、日本の高い技術力にあこがれをいだき遠く離れた日本へ。受入企業で学んだ技術を元に、母国で起業し家族を支え、従業員を雇用し母国の経済発展に寄与する。そんな‘技能実習生ドリーム‘をかなえたオノ・サルノさん。
広報誌WithIM No.2には掲載しきれなかった実習プログラム参加のきっかけ、成功までの軌跡、新たな目標そして後輩実習生へのアドバイスをWeb マガジンに掲載しました。
技能実習生サクセスストーリー
起業社名 | PT. Bunyamin Inovasi Teknik |
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起業職種 | ゴム・ウレタン製品製造 |
従業員数 | 約500名 |
売上高(月間) | 月間100~120億ルピア (7,700~9,200万円) |
きっかけは友達から
アイム・ジャパンの技能実習プログラムへの参加は、チラチャップ職業訓練校に通っていた友人からプログラムの話を聞いて技術力の高い先進国である日本に行って仕事をしたいと思ったのがきっかけです。
スマランで行われるリクルート試験に応募して学科・体力テスト、面接、健康診断と合格することができました。その後レンバン職業訓練校に入り日本語、挨拶、礼儀作法など、日本での生活に関する知識や技能を習得するために必要な事を入国前講習で勉強しました。
入国後はさらに入国後講習を1か月受け、企業に配属されました。
当初は、日本語が判らず指示とは違う事をしてしまった事もありました。最初はなかなか覚えられず、日記を日本語で書いたり漢字の書き取りや日本人の友達やアパートの人々と話す機会を意識して増やして少しずつ習得しました。
素晴らしい上司との出会い
受入企業では主職種はもちろん、時間のあるときにはマシニングセンターの操作も教えて頂きました。
いつか優れた機械を使って仕事ができることを目標に頑張りました。当時、イナガキさんという素晴らしい上司に恵まれて仕事だけでなく計画をたて仕事はしっかりすること、規律、時間を守ることなど多くのことを教えていただきました。その教えを元に現在経営している会社の企業理念を定め、ルール化して徹底しました。今では各自が計画し私が管理しています。
このように従業員を指導し、浸透できたからこそ成功できたのだと思っています。
日本では当然の事である計画目標を立て段階を検証しながら仕事をする事が、私にとっては、新鮮で且つ素晴しい経験でした。
実習で教えていただいたことは高い技術力だけではなく、マナーや企業文化という精神的な面も大変役に立っています。
また東京、静岡と色々なところへ行き全てが楽しい思い出です。いつかお世話になった上司に会いたいと思っています。
起業・日本で3年かけて苦労して貯めた大切なお金を元手にスタート
実習修了後、帰国し現地法人で1年間働いたのち、日本で貯めた250万円(インドネシア政府から支給された事業奨励金含め)を元に従業員一人の小さな会社を起業。
当初は現地日系企業の部品の卸しから始め、その後プラスチック製品製造にも着手して2年後にはマシニングセンターを購入して、鉄製品の部品製造も始めました。
事業拡大へ・銀行からの資金借入
順調にオーダーがありましたがそれに伴い資金繰りに苦労することになり、銀行から融資を受けるにも当初は実績が少なくて大変でした。銀行の信頼を得るために事業計画を明確にして、土地を担保に事業拡大の資金を借りることができました。
6つの工場を経営・ずっとまじめに品質にこだわって
仕事も順調なので現在の6つの工場を更に増やして事業拡大したいとおもっています。
現在はスーパーバイザーとして3名ほどアイム・ジャパンの実習修了生がいます。
今後も優秀な人材がいれば積極的に採用していきたいと思っています。
顧客や社会などが求めている高品質の製品やサービスを常に届けるためのISO9001品質マネジメントシステムの認証も2015年に取得しました。今後はイノベーションを続け将来的には製品を海外に販路を広げ、グローバルな会社にすることが新たな目標です。
故郷チラチャップにレストランを開業
私の住むバンドンには人気の和食店がたくさんあります。和食がすきなので今でも週に一度は家族ですき焼きやしゃぶしゃぶ・刺身などを食べています。
インドネシアでは生魚をあまり食べる習慣がないのですが父である私の影響で12歳の私の息子も刺身が好きです。
そして中部ジャワの故郷にCafe & Resto料理店を開業し、日本食もメニューに取り入れています。
アイム・ジャパン インドネシア帰国実習生社長の会
私も社長の会のメンバーですがジャカルタから約100キロ程離れたバンドンに住んでいるため参加することは稀です。しかしメンバーとは常にSNS等で連絡を取りイベント時には後援するようにしています。
※インドネシア研修生実業家協会(IKAPEKSI)イカペクシ
日本で学んだことを忘れず、互いに事業を助け合う、情報交換の場です。
後輩への支援、激励などにプログラムを自主的に支援しています。
インドネシア各州に支所があり、以下の支援を通じて地域の発展、母国の経済発展に貢献しています。
2013年3月13日に設立。起業社長として活躍している会員は約8,000名。
- 起業家育成訓練及び相談、会員中小企業の支援
- ビジネスマッチング
- 新規事業開発(ケチャプマニス調味料製造、販売等)
- 実習帰国生各地方へのモニタリング
- 社会貢献(災害地域への支援等)
- IKAPEKSI (イカペクシ)ゴルフコンペ
後輩技能実習生へのメッセージ
後輩の皆さん、やる気と素直な心で目標を立て、今を一生懸命大切にしてほしい。
私にとって技能実習は成功への起点でした。大きな目標を立てたことが今の成功につながっています。皆さんも私のように成功できると思うので、本プログラムに参加し、将来の夢をもち、目標を立て実現してほしいと思います。