技能実習生思いの社長のもとにインドネシアから兄に続いて弟も来日

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技能実習生思いの社長のもとにインドネシアから兄に続いて弟も来日

インドネシア

日本にきて幸せをつかんでほしい

南に九十九里浜、北には穀倉地帯が広がり、都心からの通勤距離圏ながらも自然豊かな千葉県旭市。この地で1965年に創業し一般鋼材の販売・加工を手がける松山鋼材株式会社では、向後賢司(こうごけんじ)社長がご家族ぐるみで技能実習生を大切に育成してくださっています。アイム・ジャパン広報誌「With IM」No.004に続き、今回は、同社で実習に励むインドネシア人兄弟の話を交えながら、技能実習生とのつながりや彼らの未来に寄せる思いについて向後社長に伺いました。

2020年4月 インドネシアに帰国する技能実習2号生と、
向後賢司社長、奥様の向後春子監査役
会社の仲間と安全第一で技能実習を修了した喜びを分かち合います。

1997年よりインドネシアから技能実習生を受け入れ

当社ではインドネシア人の技能実習生を1997年より受け入れています。
受け入れ当時は日本人従業員とうまくやっていけるか心配しました。しかし実際に受け入れを開始すると、彼らを指導する際に仕事をわかりやすい言葉で説明する必要があり、それが業務の明確化や指導力の向上など業務の改善につながることがわかりました。また技能実習生たちはムードメーカーとして、社内コミュニケーションの活性化にも一役買っています。

日本に来たことを喜んでくれる技能実習生を応援したい

彼らは母国から遠く離れ、家族の幸せや未来の夢を持って来日します。
技能や技術、知識の習得に励みながら、家族への仕送りや将来母国で起業するため、お金を節約して寮でお弁当を作り自炊しています。そんな彼らの為に、安全衛生などに関する知識や鉄工を扱う際の正しい技術、さらにはロボットも扱えるように最先端技術の習得や資格取得などの機会を積極的に設けています。技能実習をきっかけに明るい未来が開け、日本に来たことを喜んでもらえるような取り組みを心がけており、それによってさまざまなつながりも生まれています。

「ムジナノキャンプ3」工場での実習風景

東日本大震災をきっかけにインドネシアで再会した第1期生が技能実習生の指導役に

2011年3月11日に発生した東日本大震災で、当社がある旭市は震度5強を観測し、押し寄せた津波で16 人もの死者・行方不明者が出ました。インドネシアで日本の地震を伝えるニュースをみて、当社の技能実習第1期生であるシャリフディンさん(以下シャリさん)から電話がかかってきました。2000年に技能実習を修了したシャリさんは、当時インドネシアの日系企業で現地従業員を取りまとめるリーダーとして活躍されていました。シャリさんの電話をきっかけにジャカルタで当社の技能実習修了生が集まることになり、私も現地に赴いて皆さんと久しぶりに再会することができました。その時にシャリさんから、私たちとまた一緒に働きたいというお申し出があり現在は当社の正社員として技能実習生の指導役を務めていただいています。ちなみにシャリさんのご長男は私と同じ名前で「ケンジ」君といいます。

「ムジナノキャンプ」工場で技能実習生に指導するシャリさん(1番左)

2017年、兄のスルヤ君が技能実習1号生として来日

2017年4月に技能実習1号生として来日した長男のスルヤ ハンドコさん(以下スルヤ君)はどんな時でも明るく素直な性格です。会社のムードメーカーでもあり、多くの技能実習生の中で特に優秀な若者です。2020年1月(当時彼は2号生として当社で実習中)、インドネシアのスマトラ島ビンジャイにあるスルヤ君のご実家を初めて訪問し、ご両親と弟の次男のレザ君にお目にかかりました。その時の印象は、ご両親をはじめご家族全員が和気あいあいとした雰囲気の非常に明るいご一家でした。

2020年1月 スルヤ君の実家を訪問した際の写真
(後列左から)向後善子常務取締役、スルヤ君のご両親、向後社長
(前列左から)弟の三男のインドラ君、次男のレザ君

兄に続き弟のレザ君も技能実習生に

そのような温かい家族に囲まれて育った弟のレザ君(次男)も兄のスルヤ君と同様に技能実習生として日本で技術や技能を学び家族を幸せにしたいと希望していました。既に技能実習生のリクルート試験に合格し、事前研修で日本語や日本の生活習慣などを勉強して日本に向けて出発する段階でした。実際にお目にかかるとレザ君もマナーや態度が素晴らしい好青年で、日本での実習に向けて希望と情熱に燃えている様子でした。そんな様子を目の当たりにし、私の方から兄のスルヤ君と一緒に是非とも当社でがんばってほしいと伝えました。

コロナ禍で兄弟ともに約2年インドネシアで待機

本来なら2020年末頃に兄のスルヤ君が3号実習生として再来日し、弟のレザ君も2020年に1号実習生として来日する予定でした。しかし世界的に流行した新型コロナウイルスの影響で、兄弟そろっての日本での技能実習が実現するまでに約2年の歳月がかかりました。
その間、兄のスルヤ君にはスマトラ島メダン市にある当社のCV.MATSUYAMA INDONESIAで働いていただき、弟のレザ君にはいつでも日本に行けるように準備をしながら実家で待っていただくことになりました。

コロナ後初の技能実習生、待望の受入再開

2022年3月22日、新型コロナウイルスの水際対策の緩和を受け、当社にとっては1年2ヶ月ぶりとなるコロナ後初の1号実習生として、レザ君が日本に旅立つ日がやってきました。インドネシアの労働大臣も激励に訪れた現地の出発式では他の実習生とともにレザ君も当社にメッセージを寄せてくれました。来日後は約1ヶ月間の入国後講習を受けて4月28日に当社に配属され、その後も元気に頑張る姿が職場に活気をもたらしてくれています。

インドネシアで開催された出発式の様子

メッセージ動画(前列中央がレザさん)

日本での実習についてご兄弟にインタビュー

日本でともに構造物鉄工作業の実習に励む 弟レザさん(左)と兄スルヤさん(右)

兄スルヤさん:日本で学んだ新しい技術や経験を活かして、インドネシアの家族を幸せにしたい

私たちはスマトラウタラ州という自然豊かでのどかな地域で育ちました。弟とは仲が良くて、幼いころは一緒に田んぼで遊んだり、川で釣りをしたり、ボール遊びをしたりしました。
私は将来の為に日本で知識を深め新しい経験をして技術を覚えたいと思い技能実習生の試験を受けました。試験は難しかったですが一生懸命勉強したおかげでなんとか合格することができました。2017年4月に松山鋼材の技能実習生として来日し3年間構造物鉄工作業の実習に励み2020年4月に帰国しました。多くの鉄工の技術を学ぶことができてとても楽しく充実した毎日でした。

会社の社長夫妻はとてもやさしく、思いやりがあるので日本のオトーサンやオカーサンと思っています。そして私が日本で頑張っていることを誇りに思ってくれるインドネシアの両親の為にも3号実習生として再度日本に行くことを決意しました。コロナの影響で長い時間待たなければならなかったので意気消沈したこともありましたが、日本に戻って来られて大変嬉しいです。今は弟と一緒に鉄工の実習をしています。私は最新鋭のC形鋼専用加工機を操作しています。新しい機械の操作を覚えることは将来の為にもなるのでとても楽しいです。

2017年、インドネシアの空港で
日本に出発する兄スルヤさん(左)と見送る弟レザさん(右)

インドネシアの両親の期待に応えたい

両親は弟と一緒に日本で実習をしていることを大変喜んでいますし、兄弟で助け合えるので心強く思っています。私は結婚していて妻と子供が1人います。家族の為にも多くの技術を習得して皆を幸せにしたいです。今の私の楽しみは毎日携帯電話で家族とビデオ通話をすることです。
松山鋼材の皆さんはとてもいい人たちで、みんな私の仲間です。
実習も4年目になり、だいぶ慣れきて日本での仕事が楽しくなっています。
皆さんもやる気をもって一生懸命勉強して下さい。そうすれば、必ず誰でもできるようになるので、失敗を恐れずに新しいことを学ぶようにして下さい。

弟レザさん:尊敬する両親の為に兄のように日本で新しいことを学んで成長したい

兄が日本で充実した実習をしていることを聞き、尊敬する両親の為にも日本で実習生になりたいと思いリクルート試験をうけました。試験は難しかったのですが合格することができてうれしかったです。早く来日したかったのですが、コロナのために日本への出発は延期となり沈んだ気持ちでした。そしてついに今年の3月に日本に来ることができて大変うれしいです。
今は精密で安全な機械を使って建物の骨格を作る鉄工の実習をしています。最初は日本の仕事の仕方に大変驚きましたが、だんだん慣れてきました。新しいことを学び、よい仲間に囲まれ、松山鋼材で仕事が出来ることをとても幸運に思います。まだ日本語がうまくないので頑張って勉強しています。ただ日本とインドネシアでは食べ物が全然違うのでとても驚きました。

後輩技能実習生のみなさんに

良いことも悪いことも、私たちの人生に避けられないこととして起こります。毎日最善を尽くしましょう。

彼らが幸せになれるようにこれからも応援したい

コロナ禍前、当社ではお花見や飯岡しおさいマラソン、社員旅行などで折りに触れて食事会などの機会を設けていました。今は感染対策に十分注意したうえで技能実習生たちに日本での楽しい思い出が残るように努めています。
技能実習生として日本に来たことがきっかけで技術を身に付けて自信を深め、家族や彼ら自身の幸せにつながるようにこれからも一人ひとりに対する思いやりを持ち続けたいと思っております。

あとがき

向後社長のさまざまな取り組みは母国を離れて頑張っている技能実習生たちに日本にきたことを喜んでほしい、幸せをつかんでほしい、日本を好きになってほしいと願う深い思いやりの心でした。私たちアイム・ジャパンは今後も、受入企業様の協力を得ながら技能実習生たちの夢の実現を応援していきたいと思います。

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