2021年12月15日
「希望を胸に日本に。技能実習生 成功への道のりNo.2」(ベトナム・起業編)
ベトナム
未来への希望と可能性を夢みて、海を渡り日本の高い技術力にあこがれをいだき遠く離れた日本に。受入企業で学んだ技術や働き方をもとに、母国で起業し家族を支え、従業員を雇用し母国の経済発展に寄与する。そんな‘技能実習生ドリーム‘をかなえたベトナム人技能実習修了生。
今回は「希望を胸に日本に。技能実習生 成功への道のりNo.1」(インドネア・起業編)」に続いて、「希望を胸に日本に。技能実習生 成功への道のりNo.2」(「ベトナム・起業編」になります。
広報誌WithIM No.3には掲載しきれなかったベトナム人技能実習修了生お二人の日本での技能実習、成功までの軌跡、新たな目標そして後輩実習生へのアドバイスをWeb マガジンに掲載しました。
技能実習生サクセスストーリー①
ホアン・ティ・ニュンさんの場合
~高品質な商品の提供と納期の厳守でベトナム国内で約100件の工場と取引するまでに~
店名 | Nhung Quan(ニュン・ クアン) |
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設立時期 | 2018年7月 |
職種 | 木材加工(合板)販売、輸出 |
従業員 | 60名 |
年間利益 | 60億ドン(約3,000万円) |
《日本での技能実習について》
3年間の実習では、群馬県でプラスチック成形の業務に従事していました。一生懸命実習に取り組むことはもちろん、日本での生活をチャンスと捉え、コミュニケーション能力を向上させるため、日本語の勉強に力を入れ、日本語能力試験N2レベルを取ることができました。
また仕事を自分のことのように捉えて会社に貢献する日本人の働き方はとても印象的でした。また、日本の「おもてなし」の心を学び、常にお客様の要望に応えることが大切だと考えるようになりました。
《帰国後の自身の選択》
2017年4月までの3年間の実習で約6億ドン(約300万円)(ベトナム政府から支給された事業奨励金含め)貯金することができました。一部は故郷の家の修繕に使い残り約4億ドン(約200万円)は起業資金にしました。
まずは日本で取得した日本語能力試験N2の資格を生かしてハノイの日本語センターで日本語教師として働きました。半年後、個人で事業をしたいと考え帰郷し、木材販売をしている中国人と出会い商売のノウハウを学びました。そのために中国語と英語の勉強もしました。
《木材の販売事業》
高品質の木材を手に入れる方法を学ぶとともに、近隣の省の顧客の紹介や、中国への輸出も支援してもらいました。当初はトラック1台分の輸出でしたが、木材の品質の高さが評価され、事業が拡大していきました。高品質の商品の提供と納期の厳守は、私が日本での技能実習で学んだことです。利益を更に投資し、木材工場と長期契約を交わすことができるように、1度に100㎥の木材を運ぶトラックを手配しました。
2020年には毎日5-6台のトラックで木材を輸出することができるようになりました。木材を仕入れる業者も増えて、今ではベトナム北部にある約100の工場と取引を行っています。
《後輩技能実習生へのメッセージ》
起業の夢に粘り強くこだわって、思い切ってチャレンジしてみてください。自分の興味のあって好きな分野から始めるべきです。絶対に諦めてはいけません。私もこの事業にチャレンジしていなかったら今の成功した自分はなかったと思っています。
技能実習生サクセスストーリー②
グエン・ヴァン・フンさんの場合
~日本人の高い集中力と業務に専念する心を学び蘭の栽培会社を設立し、さらに拡大中~
社名 | Vườn Lan Phạm Quỳnh (ヴオン・ホア・ファム・クイン) |
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設立時期 | 2016年1月 |
職種 | 蘭の花栽培、販売 |
従業員 | 6〜30名 |
年間利益 | 70億ドン(約3,500万円) |
《アイム・ジャパンの技能実習プログラム参加のきっかけ》
実習前はハイフォンにある交通運輸省傘下の造船の専門学校で溶接の技術を学んでいました。
日本で資金を貯めてそれを元手にして帰国後に起業したいという夢がありアイム・ジャパンのプログラムに参加しました。
《技能実習で学んだこと》
日本では船体ブロックの溶接の実習をしていました。農業に興味があったので仕事が休みのときには、日本人の同僚と一緒に農家を見学して木の植え方や育て方を学びました。
日本での実習では、日本人の高い集中力と業務へ専念する心を学びました。日本人の働き方も今の仕事の参考になっています。具体的には、仕事のオーダーを素早く正確に把握し、仕事をやりやすくするために作業日報をつけるなどです。現在の仕事でもミスを少なくすることに役立っています。
《起業について》
3年の実習で8億ドン(約400万円)(ベトナム政府から支給された事業奨励金含め)の資金を貯め、ビニールハウスで蘭の栽培を始めました。蘭を選んだ理由は、故郷の土壌が栽培に適していることと家族が蘭の栽培を経験していたことですが、一番の理由は蘭の花の魅力にとりつかれたことです。蘭の花の種類を研究して2016年1月に事業をスタートしましたが、当初は市場の開拓や花の品質向上などさまざまな苦労がありました。しかし今では経験と努力を重ね事業は安定し、生産が追い付かないまでになりました。
いろいろと苦労もありましたが、2017年の終わりには5種類の花と2万本の木を栽培することができ、2017年の利益はおよそ17億ドン(約850万円)になり2018年5月には栽培面積を1,000㎡に拡張することができました。
《今後の展開》
この事業は毎月利益が上がるものではありません。通常の売上では栽培費用、光熱費などの費用を賄うことはできませんがベトナムの旧正月の繁忙期で大きく利益を上げています。常勤従業員は6名ですが、繁忙期には約30名を臨時で雇用しています。
2022年の初めに新たに10,000㎡の土地を取得して、事業を広げる予定です。また海外への輸出も視野に入れています。
《後輩技能実習生へのメッセージ》
将来のために帰国後何をするかを日本へ行く前から考えることが大切で、その方向性を決定するために、自分の強み、自分の周りの強みについても考える必要があります。実習中に学ぶ日本の働き方や考え方は自分の新しい道へきっと活かすことができると思います。
あとがき
お二人のベトナム人技能実習修了生の活躍、帰国後10年足らずでの業績は目を見張るものがあります。
これから参加を検討している技能実習生や実習中の技能実習生の目標にしていただければと思います。
私たちアイム・ジャパンはこれからもお二人に続く後輩技能実習生をサポートして参ります。
ベトナム人技能実習生の活躍はこちらもご覧ください。
「希望を胸に日本に。技能実習生 成功への道のりNo.1」(インドネア・起業編)」Webマガジンもご覧ください。