スリランカダンスが届ける思いやりの心~ヤザキケアセンター紙ふうせん

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スリランカダンスが届ける思いやりの心~ヤザキケアセンター紙ふうせん

富士山を見渡せる静岡県裾野市にあるヤザキケアセンター紙ふうせんでは、2019年5月からスリランカ人の技能実習生2名が技能実習を行っています。去る5月12日(水)、施設の利用者さんを対象にしたイベントにて、2人がスリランカ料理とダンスを披露し、自国の文化について説明する機会がありました。

中央左からティークさん(本名:クルクラスリヤゲ・ティクシャ二・マデゥシカー)、マナディさん(本名:ビラシンハゲ・マルシャ・マーナディ)。日本人の友人を作ったり、課外活動にも積極的に参加するなど技能実習以外にも充実した日々を送っています。

まずはスリランカ料理で利用者さんをおもてなし。黄色のご飯が鮮やかなチキンカレーに、スリランカの新春を祝う料理、レンコンの形をした「コキス」と、コロッケに似た揚げ物「カトレット」とバラエティに富んで鮮やか。食欲をそそります。

トレイの上段、真ん中のコキスは、家族の年長者、とくにおばあちゃんが作ることが多いそうで、調理したティークさんもおばあちゃんの味が忘れられないとのこと。本来よりも若干甘めに味付けされたスリランカカレーは、「それでも辛い」という意見はあったものの、皆さんいつも以上に食が進んだようです。スリランカのお年寄りには辛さは関係ないのだとか(笑)

昼食の時間が終わると、レクリエーションの時間です。2人のスリランカダンスを見学しに、施設の内外から多くの人が集まりました。伝統衣装・サリーに身を包んだマナディさん、ティークさんが現れると、観客の皆さんから拍手と共に歓声が湧き上がります。まずは、2人が流ちょうな日本語でスリランカの文化や言語について紹介しました。

説明が終わるといよいよダンスの時間です。この日のために2人は、仕事の終わりや休憩時間といった忙しい日常の合間を縫って練習しました。足のステップや細かな腕の動きといった一挙一動をゆっくり大きく表現するなど、利用者さんが座ったままでも観覧しやすいように工夫したそうです。どうしてそんなに頑張ろうと思ったのか尋ねると、ティークさんは、「利用者のみなさんは、私にとって日本の家族のようです。遅番のときには、「暗いから気を付けてね」「帰らないで一緒に寝ようか」といった優しい声をかけてくださいます。だから少しでも楽しい時間を過ごしてもらいたいと思いました。」と答えました。

スリランカの音楽に合わせて、2人の伝統ダンスが始まりました。マンディヤという基本ステップをていねいに踏み、全身を揺らすようにくねらせ、足先から指先まで身体全体で表現する、独特で繊細なスリランカダンス。ほんの数秒前までの穏やかな午後の陽気は、どこへやら、部屋の熱気が高まっていくのを感じます。スリランカに旅をしているかのようです。初めて目にするダンスの、その艶やかなる挙動に利用者さんの視線は終始釘付け。ダンスが終わると部屋の四方から感歎の声が沸き上がりました。

イベントを終えたお2人にお話を伺いました。マナディさんは、イベント後はスリランカについて興味を持ってくれる利用者さんが以前よりも増えたと振り返ります。マナディさんは「利用者さんが、イベントからしばらくたった現在でも、アーユボアン(スリランカ語でようこそ)と互いに挨拶しているのを見ると頑張って準備して良かったと、心の底から感じます。他にも、スリランカと日本の仏教の違いについてお話したり、スリランカ国旗について質問して頂いたりと自分の国について興味を持ってもらえるのが嬉しいです。」ティークさんは「イベントを通じて、利用者さんの笑顔を見られて嬉しいです。日本語でのコミュニケーションが上達するにつれて、認知症を患っている方が自分のことを覚えてくれるようになったのが嬉しいです。」、と話してくれました。

写真は、スリランカ文化について紹介する施設内の一角。利用者さん同士の会話のきっかけにもなっています。

一時帰国まで残り1年。2人には夢があります。それは、日本で学んだ、1人ひとりの心に寄り添う介護をスリランカでも実践することです。ティークさんは、「スリランカでは、家族が自宅で介護するのが一般的で、介護する・される双方の負担が蓄積しやすい。日本で学んだ介護の知識や経験を用いて、少しでも負担を軽減していきたい。」と考えています。マナディさんは、「介護だけでなく、施設の研修を通じて学んだ5S活動など日本の高い安全意識をスリランカの労働現場にも伝えていきたい」と意気込みます。

施設の職員さんも、「2人の頑張りが私たちの刺激になっています。」とおっしゃるなど、マナディさん、ティークさんに高い期待を寄せています。未来ある2人の今後の更なる活躍を応援したいと思います。

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