明日に向かって~ スリランカ人介護技能実習生が本音で語る今と未来 前編

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明日に向かって~ スリランカ人介護技能実習生が本音で語る今と未来 前編

入浴、食事・排泄等の身体の介助に加え、人と向き合い信頼関係を築かなければならない、介護という仕事。そんな日本人にとっても大変な仕事に真摯に向き合うスリランカ人の介護技能実習生がいます。日本語を学び、そして介護を学びたいとの思いで異国の地をふんだ彼女たちに、日本で過ごす日々と介護について語ってもらいました。

※取材はオンラインで行いました。

左から、カハダワラ アーラッチラーゲー タルシ タットサラニさん(以下、タルシさん)、ウィジェーラトナ ガマゲー ウメシ アヌラーダー ウィマラスーリヤさん(以下、ウメシさん)、ジャヤラット アーラッチゲー モナーリ タシーマー ラージャパクシャさん(以下、モナーリさん)

きっかけは、おしんや寅さん。日本語を学ぶだけじゃなく日本語を使って働いてみたい

編集部(以下、編)
「3人はスリランカ出身とのことですが、そもそもなんで日本に興味をもったんですか。」
タルシさん(以下、タ)
「こどもの頃からおしんや寅さん(※「男はつらいよ」)をテレビで見ていて日本にはもともと興味がありました。日本についてインターネット等で調べたりするにつれ、日本って良い国だなと思って、行ってみたいと思うようになりました。
「おしん、寅さん…(笑)。今の若い人は恐らく見たことない人の方が多いかも(笑)。ウメシさんが日本に興味をもったきっかけは何ですか。」
ウメシさん(以下、ウ)
「高校の友だちが日本語を勉強していて、日本に興味がわきました。最初は日本に遊びにいきたい気持ちの方が強かったですが、勉強するにつれて日本で働いてみたいと思いました。」
「日本語を勉強する友だちがいたんですね、スリランカでも日本語を学べる環境があるんですね!びっくり!!」
「私の高校には日本語を教える先生がいたので日本語を勉強することができました。」
モナーリさん(以下、モ)
「私の場合は子どもの頃から外国語が好きで何か一つの言語をマスターしたいと思ってました。高校ではフランス語を勉強しようと思いましたが、難しかったので諦めました(笑)。ウメシさんと同じで私の高校でも日本語の授業があったので日本語を勉強することにしました。」
「日本語を勉強していると、誰でもいつかは日本に行ってみたいと思うようになります(笑)(3人の視線があう)。桜とか富士山、温泉!!特にスリランカにはあまり温泉がないので行ってみたいとずっと思ってました!あっ、あとは雪!雪もスリランカでは珍しいから。」(写真)
「いってみたい場所がたくさんあったんですね!日本に来てから3人で出かけたりしましたか?」
「みんなで草津に行きました!」
「雪が見たかったんだよね!草津には会社の人と一緒に行って夢だった温泉に入りました!」
「あとは、ディズニーランドとディズニーシーにも行きました。富士サファリパークにも行きましたよ。」
「私はまだどこにも行けてません...(苦笑)」
「ウメシさんが日本に来たらすぐコロナが始まっちゃったからね…」
「3人一緒に出掛けられる日が待ち遠しいですね!」

介護のスキルを身につけながら将来のために貯金もできる

「日本に行くには色々な方法がある中、実習生として来日しようと思った決め手は何だったんでしょうか。」
「最初は日本の語学学校で留学しようと思っていましたが、叶わず、たまたま新聞でアイム・ジャパンの広告をみたのがきっかけです。色々調べるうちに、ただ留学して日本語を勉強するよりも、働きながら経験を積める実習生のほうがいいのではと思うようになりました。」
「最初は日本を旅行できればいいぐらいに考えてましたが、アイム・ジャパンの選抜に合格してこれはすごいチャンスだと思いました。介護のスキルが身につくだけでなく、お金も貯金できる。将来のために役立つと思いました。」
「介護のスキルを身につけたいという明確な目標があったんですね。スリランカに戻っても介護の仕事につきたいですか?」
「介護もいいですが、スリランカに戻ったら看護師になりたいです。」
「私は、ずっと日本に行きたいと思ってたけどチャンスがありませんでした。ビザを取るだけでもすごくお金がかかります。私も新聞でアイム・ジャパンの広告をみて、お金をかけずに日本に行けて仕事ができることに魅力を感じました。」
「なるほど…それでは次にアイム・ジャパンを通じて日本に行こうと決めてから、実際に日本に入国するまでの流れを教えてください。」
「私は日本に来るまで2年間高校で日本語を勉強しました。授業以外でも家に帰ってから漢字の書き取りをしたり、文法の練習を頑張りました。そのあと、スリランカにある日本語学校で日本語を学んで日本語試験に合格しました。」
「高校を卒業してから6ヵ月間日本語を学びました。アイム・ジャパンの選抜に合格してからは、スリランカにあるトレーニングセンターで介護と日本語をさらに勉強して日本語能力試験4級(以下、N4)の試験に合格することが出来ました。」
「ウルシさんは海外雇用局の研修が終わってからすぐN4に合格したんですか?」
「そうです。」
一同
「(驚きをこめて)お~すごい!!」※初学者でN4の試験に合格するのは難しい。

「5年間頑張れる?」3日悩んで決めた日本での挑戦

「日本に行くと決まって、家族の反応はいかがでしたか。」
「将来は日本に行くと決めていたので、お父さんとお母さんも喜んでくれました。お年寄りを助ける介護は素晴らしい仕事だから、頑張るんだよとも言ってくれました。」
「長女のタルシさんが日本に行ってしまってお母さんも寂しいのでは?」
「お母さんは最初は寂しいと言ってましたが、今は慣れたみたいです。けど毎日仕事が終わった後にお母さんとは連絡をとっています。」
「アイム・ジャパンのプログラムに申し込んだ時、正直家族は心配していましたが、政府と協力しているということで安心してくれました。」
「そもそも家族のみなさんは日本について知ってましたか?」
「家族はなんとなく日本にいいイメージを持ってはいましたが、それでもやはり心配だったみたいです。」
「お母さんが、アイム・ジャパンの広告を新聞で見つけて私に教えてくれました。5年間頑張れるの?と聞かれて、3日くらい悩みました。けど、日本に行きたくて日本語を勉強したので、行くぞと決心しました。」
「お母さんがモナーリさんの夢を後押ししてくれたんですね。それでも5年間って中々先がみえないですよね、友達の反応はどうでしたか?」
「3年終わったら会えるから、大丈夫だよと家族と友達には言いましたが、最初はつらい時もありました。3年間の間に一時帰国してお母さんと会ったときは、すごく嬉しそうにしてました。安心してくれたみたいです。」
「やはり、直接会う喜びは何事にも代えがたい時間ですよね。お母さんや友達とよく連絡はとりますか?」
「家族とはビデオ電話を毎日しています。お母さんと話すと明日も頑張ろうと思います。」

後編の公開は、4月7日です。後編では、技能実習生として日本で過ごす日々とその後の夢について3人に語っていただきます。お楽しみに。

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